お知らせ

童話「コロボックルの笛」がキルト作品になりました

先代の父・道俊が描いてきた小人の絵と、物語をあわせた童話本「コロボックルの笛」を、東京都あきる野市の女性15名によってキルト作品にしていただきました。

絵本の中の楽譜がご縁で制作していただき、キルトの独特な優しさが溢れる素敵な作品にしていただきました。

現在この作品を待合室に飾っております。機会がありましたら、ぜひ見に来ていただきたいです。

まだまだ暑い日が続きますが、どうぞお身体を大切になさってください。
8月5日に長野県南信の諏訪地方および上伊那地方で発行されている新聞社、長野日報様にてこちらの記事を掲載していただきました。
http://www.nagano-np.co.jp/articles/97155

【記事の内容はこちらです】
日常診療と山間地の出張診療を続け、生涯地域医療に正面から向き合った故小松道俊さん(1940~2013年)が、生前に書き残した物語と絵による童話本「コロボックルの笛」が、東京都あきる野市の女性15人によってキルト作品になった。小松さんとキルト作家は面識がなかったが、小松さんが40代半ばで作詞した合唱曲が結んだ縁。作品は小松さんの長男小松佳道さん=諏訪市、諏訪豊田診療所長=ら遺族に贈られ、診療所待合室に展示した。訪れた人たちは手仕事ならではの温もりに触れ、縫い上げたもう一つの世界を楽しみ、小松さんをしのんでいる。

童話の原稿や絵は、小松さんの妻の孝子さん、長女の由貴さんらが遺品を整理していた時、机の引き出しや本の間で見つけた。小松さんが心安らかな時に浮かんでくるという小人の「コロボックル」が、メモ紙や画用紙に鉛筆、ペン、水彩、油彩で描かれていた。

4年前小松家は、小松さん作詞、遠藤雅夫さん作曲の合唱曲「この道を行けば」の楽譜を含め、A4判64ページの童話本として発刊した。地域の人たちから「『諏訪の赤ひげ先生』を物語る」と大きな反響を呼び、増刷に至った。このうちの1冊が遠藤さんの友人、声楽家の川村敬一さんに渡り、川村さんはキルト作家の白野美津子さんに紹介した。白野さんは「最初のページ、八ケ岳と諏訪湖の絵と文章がスーと心に入り、キルト作品にしたい思いを強くした」。

白野さんは主宰するキルトハウスの仲間に、絵本をキルトで表現することを提案。初挑戦の仲間も、「絵の雰囲気を大切に、次第にわくわく感を持って進めた」。A4サイズ16枚の共同作品が完成すると5月にはキルトハウスの展覧会で披露、話題作となった。

寄贈を縁に諏訪を訪れた白野さんは、「小松家とのつながりは、キルトにしたい思いを話したのがきっかけ。いつも好意的で道俊先生の優しさがご家族からも伝わってきた。ふさわしい所に置いてもらえてうれしい」。

小松家は「大作をいただき驚いた。患者さんの中には歓声を上げたり、絵本と見比べたり、近づいて時間を掛けて見入っている人もいる。先代の話をしてもらう機会にもなっている」と、あらためて人の縁に感謝している。

メモ 小松道俊さん 母校の岩手医科大学で講師を務めていた時、父親の卓郎さんが他界。「古里の人たちのために」という父親の遺志を継ぎ、40年にわたって諏訪市の諏訪豊田診療所長、同市の湖南診療所長を務め、西山山間部、富士見町栗生の出張診療も継続。諏訪地区小児夜間急病センターの開設や諏訪赤十字看護専門学校の存続活動、地域防災、消防団活動にも尽力した。